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Interop Tokyo 2010 総評

ビデオ、クラウド、仮想化、IPv4枯渇。サービスプロバイダーが打つべき次の一手とは?

〜Interop Tokyo 2010に見る新しい時代のキーワード、次世代戦略〜

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今、ネットワークやICTを取り巻く環境は大きく変遷している。その中で、サービスプロバイダーは今後どのような戦略を掲げ、新しいサービスや付加価値を創出していくべきなのか?
去る6月7日から11日まで幕張メッセで開催されたアジア最大のネットワーク総合イベント「Interop Tokyo 2010」からそのヒントを探ってみる。

Interopに見るサービスプロバイダーの課題

ビデオトラフィックの急速な増大により
ビデオ最適型の次世代IPネットワーク構築が急務

今年のInterop は、昨年と同様、新たなメディアコンテンツビジネスの専門イベントであるIMC Tokyo、および、デジタルサイネージジャパンと同時開催された。そこでは、より高画質で臨場感の高い映像コンテンツが、ネットワークを介してテレビ、PC、携帯電話のみならず、デジタルサイネージやデジタルフォトフレーム、あるいはiPadのような多様な端末に届けられ、そこに新しいビジネスチャンスが生まれるということ、つまりデジタル化された映像コンテンツをどう扱い、またそれをどう収益に結び付けていくかということが、今後のネットワーク業界にとって重要な課題であるということを強く印象付けていたと言える。Interop 出展各社のブース展示では、ビデオ配信ソリューション、HD映像コミュニケーションなどが目につき、また併催のデジタルサイネージジャパンやIMC TokyoのブースではHD画像を店舗のディスプレイに配信するデモンストレーションやAR(拡張現実)を活用したコンテンツ配信などのソリューション、また、3Dでのライブ映像配信デモンストレーションや裸眼による3Dディスプレイなどが展示されていた。

サービスプロバイダーにとっては、今後このような映像をベースとした新たな高付加価値サービスをさらに発展させることで、ユーザエクスペリエンスを向上し、収益機会を増大するために、エンドトゥエンドでのビデオ品質を保証し、受信端末に応じて大容量コンテンツを効率的に管理・配信することが可能な、ビデオトラフィックに最適化された次世代IPネットワークの構築が急務であると言えよう。

今回のInteropでは、100GbE標準化がまもなく完了する見込みであることや、ネットワーク仮想化技術の信頼性向上への要求が高まっており、Ether OAMが浸透し始めていることなどを受け、サービスプロバイダーが広帯域化を実現するための最新技術や、ビデオトラフィックの増大に対応するための、インテリジェントで包括的なコンテンツ管理、配信ソリューションが数多く紹介されていた

クラウドコンピューティングは
キャリアグレードへ

今回のInteropの最も大きなテーマの一つにクラウドと仮想化があげられる。実際、各社のブース展示やコンファレンス等でも最も多く取り上げられていたトピックがクラウドである。Interopがネットワーク業界の縮図とすれば、それは単に一時的なブームということではなく、業界として今後クラウドに本格的に取り組んでいくというコミットメントであると言えるだろう。

ただ、ひと口にクラウド、仮想化と言っても、実はさまざまなレイヤやフェーズの技術で構成されている。高価な技術から安価な技術、枯れた技術から実験的な技術、さらにはサーバ層からネットワーク層まで多岐にわたる。特にサービスプロバイダーにおいては、個人ユーザ向けのサービスから法人向けまで多様なサービスを提供しているため、より高度な一元管理が求められる。さらにデータセンターの規模も巨大なので膨大な量のケーブルやスイッチ、アダプタが存在している。その管理対象を減らして負担を軽減するためにもサーバ層とネットワーク層、2つの層の融合が不可欠だ。さらに、信頼性の高いクラウドサービス提供のためには、データセンターとそれらを結ぶネットワークを有機的に連携させ、パブリッククラウドとプライベートクラウドを統合的に管理できるセキュアで拡張性が高く、また効率性の高いサービス基盤が必要である。今回のInteropでも、ネットワークの強みを生かして付加価値の高いサービスを展開するためのプラットフォームやそれを実現する様々なソリューションの紹介が多くなされていた。

また、クラウドをベースとした新しい動きとして、スマートグリッドについても今年のInteropのテーマのひとつとして取り上げられ、ブース展示の他、コンファレンス等においてもその課題や今後の方向性について活発な議論が交わされた。スマートグリッドについても、今後業界に与えるインパクトは非常に大きいと思われ、クラウドと合わせてその動向を注視していく必要があるだろう。

すべてのモノがネットワークでつながり、
IPv4の枯渇が急速に深刻化。

TV、HDDレコーダー、ゲーム機など、今やあらゆるものがネットワークにつながり、IPv4アドレス枯渇の問題がますます深刻化している。Interopでもここ数年、Count Down to Realityというテーマで取り上げられ続けてきたが、今年はいよいよCount Zero、待ったなしの状況になった。今後新たなIPアドレスの取得はますます難しくなることが予想され、サービスプロバイダーにとっても頭の痛い問題だろう。周知の通り、IPv4からIPv6への移行は複雑かつデリケートな問題をはらんでいる。例えばWindows XPでは、IPv6に対応しているものの完全ではない。Webアクセス時にURL(ドメイン名)を実際のIPアドレスに変換するために必要なDNSへ問い合わせはIPv4でしかできない仕様になっている。それでもPCの場合バージョンアップなどでの対処法もあるが、ネット家電などの組み込み型端末ではそう簡単にはいかない。当面の間はIPv4とIPv6が共存するサービスを展開する必要がある。

今回のInteropでは、「IPv4アドレス枯渇タスクフォース」という主催者企画の元、様々な団体、企業の参加により、ハンズオンセッションやセミナー、また専用ブースでIPv6移行のための様々なソリューションの展示が行われ、その注目の高さが伺われた。

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