ネットワークをプログラム可能にするCisco Open Network Environment 包括的なアプローチが実現する新たなネットワークの世界

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シスコは2012年6月、Cisco Open Network Environment(Cisco ONE)を発表した。これは包括的なアプローチによって、ネットワークをプログラム可能にするものだ。ネットワークの情報収集や分析、設定を自動化する道を拓き、アプリケーション特性に合わせたダイナミックなカスタマイズも可能になる。サービスプロバイダーにとっても、コスト削減やサービス提供の迅速化、新たな収益モデルの確立等への活用が期待される。本特集では、Cisco ONEの概略を紹介し、これにより実現される新たなネットワークの世界とその可能性を考える。

プログラム可能なネットワーク実現のため
シスコが推進する3つのアプローチ(1)

 サービスプロバイダーのビジネスは、いくつかのチャレンジに直面している。

 まず、より高度な体験を求める顧客への対応が求められている。顧客が利用するサービスやデバイスは多様化しており、モバイル活用も一般的になってきた。新たなサービスを迅速に開発・提供するのはもちろんのこと、複数サービスの連携も積極的に進めることで、これまで以上に高い付加価値を提供しなければならない。

 コスト抑制も重要なチャレンジだ。インターネット経由のビデオの普及や、コンシューマ向けネットワーク機器の多様化・個人所有数の増加などにより、IPトラフィックは近年急増を続けているが、今後はM2M(Machine to Machine)へのシフトが進むことでその傾向にますます拍車がかかり、トラフィックやセッション数はさらに爆発的に増大していくだろう。先日発表された最新のCisco VNIトラフィック予測では、2016年の世界のIPトラフィック量は年間1.3ゼタバイトに達し、2011年から4倍近く増加すると予測されている。この状況に継続的に対応していくには、ネットワークキャパシティの効率的な利用が欠かせない。

 そして新たな収益モデルの確立も喫緊の課題になっている。そのためには自社開発のサービスだけではなく、他社とのパートナーシップに基づいたサービス連携が重要になるだろう。また従来のビジネスの枠を超えた収益源も考える必要がある。

 これらのチャレンジに対応する上で、大きな貢献を果たす可能性があるのが、シスコが2012年6月に発表した「Cisco Open Network Environment(Cisco ONE)」だ。これはプログラム可能なネットワーク環境を提供するものであり、アプリケーション特性に合わせたネットワークインフラのダイナミックで柔軟なカスタマイズを可能にする。これによって迅速なサービスの提供や、リソース利用の最適化、新サービスの早期収益化等が実現できるようになると期待される。

Cisco Open Network Environment

 「プログラム可能なネットワーク環境」といえば、OpenFlowやSDN(Software-Defined Network)という言葉を思い浮かべる読者も多いはずである。それではCisco ONEは、これらとどのような違いがあるのだろうか。

ネットワークをプログラム可能にするCisco Open Network Environment
包括的なアプローチが実現する新たなネットワークの世界