いよいよ本格化する Internet of Things 「モノのインターネット」時代に求められるネットワークインフラのあるべき姿とは

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本格的な幕開けを迎えつつある「Internet of Things(IoT)=モノのインターネット」時代。ネットワークに接続されるデバイスが急増し、新たなニーズが生まれることで、サービスプロバイダーにも大きなチャンスの到来が予想される。しかしそのチャンスを収益につなげるには、ネットワークのあり方を見直す必要がある。本特集記事では、IoT時代に求められるネットワークアーキテクチャと、期待される収益機会について考察する。

急増するネットワーク接続デバイス数
古くから提唱されてきた概念が現実に

 「Internet of Things(IoT)」という言葉が、ここ1〜2年で大きな注目を集めるようになってきた。直訳すれば「モノのインターネット」。従来のインターネットは、人と人、人とアプリケーションを結びつけるためのものであり、利用者が主体的に操作することで情報のやり取りが行われてきた。ここに多様かつスマートなモノ(オブジェクト)を接続し、よりダイナミックで自律的な情報のやり取りを実現しようというのが、IoTのコンセプトである。

 この考え方は決して新しいものではない。源流をたどると1980年代初頭にまで遡ることができる。国産OS「TRON」の開発者として知られる東京大学の坂村健氏が「どこでもコンピュータ」という概念をこの頃に提示しているのだ。1990年頃にはゼロックス パロ・アルト研究所のマーク・ワイザー氏が「ユビキタスコンピューティング」を提唱。これらは元々「あらゆる所にコンピュータが存在する」という考え方だったが、1990年代を通じて「あらゆる場所であらゆるモノがネットワークにつながる」という、ユビキタスネットワークのコンセプトへとつながっていった。また、最近では、機械同士が人間を介在させずに情報交換するシステムをMachine-to-Machine(M2M)と呼び、注目が集まっている。

 それではなぜ今、IoTへの注目が高まっているのか。それはインターネットに接続されるデバイス数が急増しており、そこに新しいビジネスチャンスが期待されているからだ。

Internet of Things (IoT)の到来

 Cisco IBSG(Internet Business Solutions Group)の調査によれば、2003年では世界人口63億人に対し、インターネットに接続されるデバイス数は5億台。1人あたりのデバイス数はわずか0.08台だった。これが2008〜9年頃に1.0を超え、2010年には68億人の人口に対し、125億台のデバイスが接続されるようになった。1人あたりのデバイス数が、わずか7年間で23倍に膨れあがったのだ。この傾向は今後も継続し、2020年の接続デバイス数は500億台に達し、1人あたり6.58台になると予測されている。

 接続デバイス数の増加を後押ししている要因は、現時点では大きく2つある。1つはモバイルネットワークの普及。もう1つはクラウドサービスの拡充だ。

 身の回りを見渡してみればわかるように、スマートフォンやタブレットなど、無線でネットワークに接続されクラウドサービスにアクセスするデバイスは、ここ数年で急増した。今後はスマートフォンやタブレットだけではなく、様々な機器が無線でネットワークに接続され、クラウド上のサービスと連携するようになるだろう。従来の「人と人」を接続するH2H(Human-to-Human)、「人とマシン(サービス)」を接続するM2H(Machine-to-Human)と、新たに普及するM2Mが、インターネット上で混在するようになるのだ。

Internet of Things (IoT)のイメージ

 このような変化が今後も続くのであれば、サービスプロバイダーにとって新たなチャンスとなる。サービス対象となるデバイスが増える上、ネットワークが果たす役割もこれまで以上に重要になるからだ。しかしこのチャンスを現実のものにし、そこから収益を得るには、ネットワークにも新たな変化が求められる。IoTに適した形になるよう、ネットワーク アーキテクチャを見直す必要があるのだ。

いよいよ本格化する Internet of Things