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モバイルインターネットに変革をもたらす<br />シスコの最新戦略フレームワーク

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 すでにモバイルインターネットは生活の一部となりつつあり、今後M2Mなどの新しいサービスの台頭も予想される。その一方でサービス プロバイダーは、周波数帯域の不足、トラフィックの急増、ARPUの低下等、多岐にわたる問題に直面しており、新たなビジネスモデルの構築が急務となっている。このような課題に対応し、収益性の高いサービス創造を支援するため、シスコは2013年2月に「Cisco Mobile Internet Innovations」を発表した。ここではその概要を紹介するとともに、このイノベーションがどのような可能性をもたらすのかを提示していく。

モバイル サービス プロバイダーが
直面する3つのチャレンジ

 モバイル データ トラフィックが近年急速な勢いで増大している。全世界における2012年のトラフィックは、1ヶ月あたり0.9エクサバイトに達し、増大傾向は今後更に強くなると予測されている。今年2月に発表された「シスコ モバイルVNI」によるトラフィック予測でも、その傾向がはっきりと示されている。下のグラフにあるように、モバイル データ トラフィックは2012年〜2017年にかけて年率66%で増大し、2017年には昨年の約13倍の11.2エクサバイトに達すると見込まれているのだ。

全世界のモバイルデータトラフィックの増加

 トラフィック増大の要因としては、モバイル ユーザの増加、モバイル通信の高速化、モバイル ビデオの増加等に加え、M2Mなどモバイル接続機器の増加が挙げられる。モバイル データ トラフィックがS字カーブを描く一般的な成長曲線に従うとすれば、その成長はまだ始まったばかりだといえ、トラフィック量が飽和するまでには、まだかなりの期間を要すると考えるべきだ。サービス プロバイダーは、このトレンドに対応することが求められる。そしてその結果ユーザの利便性は高まり、さらなるトラフィック増大につながるという循環が続くことになるだろう。

全世界のモバイルデータトラフィックの要因

 その一方でユーザー当たりの収入(ARPU)は下がり続けている。下のグラフは電気通信事業者協会発表のデータを元に作成したものだ。ARPU低下の原因としては、事業者間競争、データ通信を基にしたコミュニケーションツールの台頭や実質端末値引きなどが考えられる。加入者数はタブレット端末などの2台目需要により毎年3~8%程度の伸びを示しているが、すでに人口に対する加入者数の割合は100%を超えており、M2Mなどの新たな市場を開拓しない限り加入者数が今後も伸び続けると期待できる状況ではない。

日本のARPU推移

 これらのデータが意味しているのは、サービス プロバイダーのビジネス環境は、決して楽観できるものではないということだ。トラフィック増、ARPU低減に加え、利用できる周波数の不足という問題にも直面している。サービス プロバイダーはこれら3つのチャレンジに対応しなければならないのである。

通信業者のチャレンジ

 その取り組みを支援するためにシスコが発表したのが「Mobile Internet Innovations」だ。これがもたらすイノベーションには大きく3つの要素がある。まず第1に効率の高い設備投資によって、急増するトラフィックを吸収すること。第2にスモールセル化やネットワークの自動最適化等によって、よりきめ細かなユーザサービスの提供(パーソナライズ化)を可能にすること。そして第3がネットワーク全体から各種データを収集し積極的に活用することで、新たな収益源を確保していくということである。

1.急増するトッラフィックの吸収 2.パーソナライズ 3.マネタイゼーション(収益化)

モバイルインターネットに変革をもたらすシスコの最新戦略フレームワーク