さらなる拡張を続ける「Cisco ONE」〜ネットワークをプログラム可能にするアプローチ その最新状況とSDNをめぐるシスコの取り組み

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シスコが2012年6月に「Cisco Open Network Environment(Cisco ONE)」を発表してから、約1年が経過した。シスコはそれ以降もCisco ONEを拡張し続けており、SDN関連のオープンソース プロジェクトにも貢献している。そこで今回は、これまでに行われてきたCisco ONEの拡張と、シスコの取り組みについて紹介したい。またCisco ONEの活用で可能になるサービスモデルや、実際に進められている導入プロジェクトも紹介する。

この1年間で拡張され続けてきた
Cisco ONEのビルディング ブロック

 ネットワークをプログラム可能にすることで、ネットワーク インフラの柔軟性を高め、リソースの最適化や新サービスによるマネタイズ等を実現する。このようなコンセプトに基づき、シスコは2012年6月に「Cisco Open Network Environment(Cisco ONE)」を発表した。Cisco ONEのフレームワークは、すでに2012年7月に発行した「inSPire ISSUE 08」でも紹介している通り、大きく3つの領域で構成されている。プラットフォームAPI、コントローラ+エージェント、仮想オーバーレイだ。

 2012年6月の時点では、プラットフォームAPIとして「onePK」、コントローラとして「SDN Controller Software」、エージェントとして「OpenFlow Agent」が発表されていた。また仮想オーバーレイとしては、Nexus 1000V用のOpenStack QuantamプラグインとREST APIの提供、複数のハイパーバイザに対応したVXLANゲートウェイ等が盛り込まれていた。

2012年6月発表のビルディングブロック

 その後約1年の間に、シスコの取り組みはさらに前進している。Cisco ONEがどのように変化してきたのか、時系列で追いかけてみよう。

 まず2012年10月には、nLightテクノロジーが発表された。これはIPコアとオプティカル コアを統合し、Cisco ONEフレームワークに基づくプログラミング機能を提供するものだ。これによってコア ネットワークを大きくシンプル化でき、効率を向上できる。多くのサービス プロバイダーにとって、オプティカル パスの利用率の低さは大きな課題になっているが、nLightを活用すればこの問題も解決できる。詳細は「inSPire ISSUE 09」で解説しているので、そちらをご参照願いたい。

 2013年2月にも、多岐にわたる発表が行われている。

 まずプラットフォームAPIの領域では、onePKをサポートするプラットフォームが拡張された。第2世代のサービス統合型ルータ(ISR G2)、アグリゲーション サービス ルータ(ASR)1000シリーズ/9000シリーズ、Cisco Nexus 3000/7000シリーズ スイッチがその対象として挙げられており、順次対応を進めることになっている。

 コントローラの領域では、「Cisco ONE Controller」というソフトウェア製品が発表された。これはOpenFlowとシスコのonePKプロトコルの両方をカバーし、Cisco onePKあるいは互換性のあるOpenFlowエージェントを使用するネットワーク機器をプログラム可能にするものである。

 エージェントでは、OpenFlowエージェント対応のプラットフォームが追加された。Catalyst 3000/6500シリーズ、Nexus 3000/7000シリーズ、ASR 9000シリーズがその対象となっている。

 仮想オーバーレイでは、3つの拡張がなされている。1つ目はCSR 1000Vの発表。これはCisco IOSベースのルータ機能をソフトウェアとして提供するものであり、クラウドのデータセンターに実装することを目的としている。2つ目はNexus 1000Vの機能拡張だ。VMwareに加え、Hyper-VやKVMにも対応し、VXLANゲートウェイ機能や、ハイブリッド型クラウドを可能にするNexus 1000V interCloud、ネットワークの可視化を可能にするVirtual Network Analysis Module(vNAM)、仮想化されたネットワークサービスの提供を容易にするvPath Service Chainingも盛り込まれている。そして3つ目が、シスコ版のOpenStackの発表である。

2013年2月発表のビルディングブロック

 2013年3月には、Cisco Quantumソフトウェアスイートを発表。このソフトウェアスイートには、ネットワーク抽象化、ポリシー、解析、オーケストレーション機能が含まれ、ネットワークで発生する膨大なリアルタイムデータを収集・解析することで、リソースの最適化と新たなサービスを可能にする。なおCisco Quantumの概要は「inSPire ISSUE 11」で紹介しているので、こちらも一読されることをお勧めする。

さらなる拡張を続ける「Cisco ONE」 〜 ネットワークをプログラム可能にするアプローチ