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Cisco ESP (Evolved Services Platform)が切り拓く中堅・中小企業向け仮想マネージド サービス市場 Tail-f SystemsとMerakiの統合でさらなる機能強化 サービス展開の迅速化とコスト低減による収益機会拡大

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サービス プロバイダーの収益源として有望な、マネージド サービス市場。ここが今、大きな転換期に差し掛かっている。大企業への浸透がある程度進むと同時に、中堅・中小企業向け市場がいよいよ立ち上がろうとしているのだ。その成功の鍵を握るのが、仮想化とオーケストレーションによるサービス展開の迅速化・自動化・コスト低減だ。これらのニーズに応えるために、シスコはCisco Evolved Services Platform(ESP)の継続的な機能強化を行っている。ここではその最新状況と、サービス プロバイダーでの展開事例について紹介する。

中堅・中小企業向け市場への参入で
クリアすべき4つのハードル

 ネットワークやコミュニケーションに関するマネージド サービスの市場が、急速な勢いで拡大しつつある。世界的な市場調査・コンサルティング企業であるMarketsand Marketsとシスコ ビジネス&テクノロジー アーキテクチャ チームの調査によれば、2014年に440億ドルであるこの市場は、2018年には620億ドルに成長すると予測されている。そしてこの市場を牽引する可能性が高いのが、中堅・中小企業だという。

 すでに大企業では、マネージド サービスの利用割合は32%に達している。この数字は今後も伸びていくと考えられるが、市場の立ち上がり期はすでに過ぎているといえる。これに対して中堅・中小企業では、マネージド サービスの利用割合はわずか1.9%に過ぎない。まさにこれから立ち上がろうとする市場なのだ。

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 実際に中堅・中小企業におけるマネージド サービスへのニーズは高まっている。現時点では、中堅・中小企業が利用できるマネージド サービスは限られており、これらの企業の担当者にはSIerやサービス プロバイダーの選定、アプリケーション導入、アクセス管理の設定等、様々な負担がかかっている。本業に注力するには、このような負担を軽減しなければならない。このニーズに応えることができれば、大きなビジネス チャンスを手中に収めることが可能になる。

 今後中堅・中小企業向けマネージド サービスへと参入する企業は、多岐にわたることになるだろう。SIerやVAR(付加価値再販業者)、ソフトウェアベンダー等が、その中に含まれることになるはずだ。しかしこれらの中でも特に有利な立ち位置にあるのが、テレコム企業等のサービス プロバイダーである。サービス プロバイダーは企業とインターネットをつなぐ接点を提供しており、顧客に最も近い場所でワンストップ サービスを実現できる可能性を持っているからだ。

 しかし実際にこのような市場に参入するには、いくつかのハードルを超えなければならない。中堅・中小企業向け市場は、大企業向け市場とは特性が大きく異なるからである。

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 第1に、小規模なサービスを多数提供する必要があるため、新たな投資が必要になる。大企業向けのインフラでは、細かいサービスの提供が難しいからだ。第2に、より厳しい納期要求に応える必要がある。中堅・中小企業の多くは常に時間に追われており、大企業のように中長期的な計画を受け入れる余裕はあまりない。第3に、より幅広い営業活動が必要になる。大企業に向けた“ハイタッチ”型の営業に比べると、よりコンシューマ ビジネスに近くなるといえる。そして第4に、高い投資効果が期待しにくい。中堅・中小企業は価格に敏感であり、今後この市場では激しい価格競争が繰り広げられることになるだろう。

 これらのハードルを乗り越え、この市場でも利益を出していくにはどうすべきなのか。そのひとつの答えは、俊敏性、柔軟性、自動化というキーワードを取り込んだ、新たなフレームワークの導入である。

 シスコはこの課題に応えるため、サービス プロバイダー向けに3レイヤーで構成されるサービス モデルを提供している。最下層には柔軟性が高く、プログラマビリティによって自動運用も可能な「Evolved Programmable Network(EPN)」、中間層にはオーケストレーション エンジンを核に仮想化されたネットワーク機能を提供する「Evolved Services Platform(ESP)」、そしてそれらの上で各種アプリケーションを実行するのである。なお、EPNとESPについては、本誌inSPire 第13号(2013年10月)第15号(2014年5月)の特集記事でも詳しく紹介しているので、こちらも参照いただきたい。

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 シスコはこのモデルをさらに強化するため、優れたネットワーク サービス オーケストレーション技術を有するTail-f Systemsとクラウドによるネットワーク統合管理を提供するMerakiの買収・統合を行っている。それではこれらによって何が可能になるのか。そしてサービス プロバイダーにはどのようなメリットがもたらされるのだろうか。

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