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Cisco ESP (Evolved Services Platform)が切り拓く中堅・中小企業向け仮想マネージド サービス市場

Cisco ESPが可能にする迅速化と低コスト化
5年間の投資効果は200%超に

 ここで、Tail-f SystemsとMerakiについて両社の概要を紹介しておこう。

 Tail-f Systemsはスェーデン・ストックホルムに本社を置くIT企業であり、マルチベンダー型ネットワーク サービス オーケストレーションのリーディング ベンダーである。同社の製品を利用することで、物理ネットワークと仮想ネットワークの両方をカバーした、プロビジョニングと管理の自動化や簡素化が可能になる。また同社は、ネットワーク機器の設定制御を行うためのNETCONFプロトコルや、データモデリング言語YANGの開発・実装でも、“ソートリーダー(第一人者)”のポジションにある。シスコはTail-f Systemsの買収を2014年6月に発表、7月に完了。Cisco ESPのオーケストレーション機能にその技術を組み込んでいく。これによってESPにおけるオーケストレーションの自動化・簡素化をさらに推し進めていく方針だ。

 一方、Merakiは、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピュータサイエンス研究室の出身者によって設立されたIT企業であり、無線LAN等のネットワーク インフラをクラウドで管理する技術を有している。無線LANのアクセスポイント、ファイアウォールやVPN等の機能を装備したセキュリティ アプライアンス、QoS機能を装備したスイッチ、BYODを実現するモバイル管理ツール等の製品を提供しており、クラウド経由でこれらの一元管理を実現、すでに数千社の企業で数十万台ものデバイス運用管理に活用されている。シスコはすでに2012年12月に同社の買収を完了しており、これをCisco ESPに組み込むことで、多様なデバイスからのアクセスを統合管理する「ユニファイド アクセス プラットフォーム」を強化している。

 それでは両社の技術を組み込んだCisco ESPは、サービス プロバイダーにどのようなメリットをもたらすのか。ネットワーキング/テレコム市場に特化したコンサルティング ファームであるACG Researchが、2つのシナリオで試算した結果があるので、その内容を簡単に紹介したい(参照: 関連リンク「Business Case for Virtual Managed Services」(英語))。

 第1のシナリオは、Tail-f Systemsのネットワーク サービス オーケストレーションと、Merakiのクラウド マネジメントを利用し、仮想化された顧客構内設備(Virtual CPE)と仮想化されたファイアウォール(Virtual Firewall)によって、「クラウド VPN」を提供するというものである。

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 サービス プロバイダーにとって重要なことは2点ある。1つはサービス提供のスピードが仮想化とオーケストレーションによって飛躍的に高まること。所要時間は48時間以内に短縮されるという。もう1つはコスト削減効果だ。ACG Researchによれば、従来型のサービス提供方法に比べて運用コスト(OpEx)は82%削減され、5年間で215%の投資効果(ROI)をもたらすという。

 第2のシナリオは同様の仕組みで、仮想CPE、仮想ファイアウォールに加え、仮想Webセキュリティも提供することで、モバイル向けのセキュリティ サービスを実現するというものである。

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 この場合は、従来に比べて運用コストは78%の削減となり、投資効果は5年間で220%に達する。コスト削減効果が前者に比べて小さいのにもかかわらず投資効果が大きいのは、顧客にとっての付加価値が高く、より大きな売上が期待できるからだ。

 シスコの3レイヤーモデルで提供できる仮想化ネットワーク機能(Virtual Network Function: VNF)は、もちろんこれらだけではない。下の図に示すように、幅広い機能がラインアップされている。

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 わずか半年前には25種類だったVNFが、現在では42種類にまで拡大。その数、成長率のいずれにおいても、他に類を見ないラインアップだといえるだろう。

Cisco ESP (Evolved Services Platform)が切り拓く
中堅・中小企業向け仮想マネージド サービス市場