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オープンでセキュアなハイブリッド クラウドを実現するCisco Intercloud Fabric アーキテクチャ概要 〜急増する企業のニーズやIoE 時代に対応サービス プロバイダーのクラウド ビジネスを支援〜

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2014年3月にシスコが発表した「Cisco Intercloud」は、シスコのクラウド アーキテクチャに基づくハイブリッド クラウド環境をパートナーとともに提供する構想だ。発表以来、数多くのクラウド事業者/サービス プロバイダーがこのパートナーシップに参加を表明しており、さらなる拡大が予想される。複数のクラウド間をセキュアかつ柔軟に接続し、相互運用性や統合管理性の高いハイブリッド クラウドを実現するのは、「Intercloud Fabric」と呼ばれるIntercloudの重要な技術要素である。ここでは、Intercloudの登場背景とIntercloud Fabricの概要について解説し、サービス プロバイダーにとってのメリットと活用戦略について考える。

複数クラウドの活用はすでに当たり前
しかし容易ではなかったシームレスな連携

 その言葉が登場した7〜8年前には“バズワード”とすら言われた「クラウドコンピューティング」。しかしわずか数年間で着実に普及し、企業ITの形態を大きく変えつつある。現在ではもはや「クラウドを使うべきか否か」という議論は過去のものになり、「どのようにクラウドを活用すべきか」へとフォーカスが移っているといえるだろう。このような状況の中で進みつつあるのが「ハイブリッド クラウド」への移行である。

 企業ITの多くはすでに、複数のクラウドを使うのが当たり前になっている。下のグラフを見ていただきたい。これは、ニューヨークに本拠地を置くIT調査会社の「451 Research」が、米国企業を対象に行なった調査結果である。約半数の企業(組織)が複数のクラウドを活用し、相互接続していると回答している。

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 その中でも最も多いのは「自前のプライベート クラウドと外部にホスティングしたプライベート クラウド」の組み合わせだが、「自前のプライベート クラウドとパブリッククラウド」の組み合わせも決して少なくない。「外部にホスティングされたプライベート クラウドとパブリック クラウド」の組み合わせも含めれば、複数のクラウドを活用していると回答した企業(組織)の8割以上が、プライベート クラウドとパブリック クラウドを組み合わせて活用していることになる。これは回答企業の4割に相当する。

 この傾向は今後も強くなっていくだろう。そして日本企業も同様の方向へと向かっていく可能性が高い。すでに主要なクラウド サービス プロバイダーは軒並み日本国内にデータセンターを設置しており、価格競争も激化している。米国では2010年に連邦政府が「クラウド ファースト」を打ち出し、パブリック クラウドの活用を牽引し続けてきたが、その波は確実に日本にも及びつつあるといえる。

 それではなぜハイブリッド クラウドなのか。オンプレミスからパブリック クラウドへのシフトという単純な図式に、なぜならないのか。無視できない大きな理由がある。それは、プライベート クラウドとパブリック クラウドには、それぞれ異なる特性があるということだ。

 まずプライベート クラウドには、「コントロールのしやすさ」「高いセキュリティ」「データ保護が容易」という特徴がある。もちろんパブリック クラウドでも同様の特徴を打ち出すサービスは存在するが、自社保有の情報資産に対する“主権”を手放したくないという企業は、決して少なくない。そしてもう1つ、固定的なワークロードの場合には、トータル コストを抑えられるという利点もある。

 一方、パブリック クラウドには「経済性」「展開スピード」「スケーラビリティ」というメリットがある。

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 これらの異なる特性を適切に組み合わせることができれば、企業システム全体の最適化が可能になる。例えば、高いセキュリティが求められる顧客情報の管理はプライベート クラウド、一時的な負荷が発生するアプリケーションや開発環境はパブリック クラウドに配置すれば、コスト効果の高いシステムを実現できる。またパブリック クラウドの活用も、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureといった大手サービスだけではなく、個性的な特徴を打ち出したサービスも組み合わせることで、さらに大きな効果が得られる可能性がある。

 しかしこれまでのハイブリッド クラウドは、そのメリットを最大限に引き出せる状況ではなかったと言える。問題は大きく2つある。

 第1に、プライベート クラウドとパブリック クラウドでは、仮想マシン(VM)のフォーマットが異なるのが一般的。そのためプライベートからパブリックへ、あるいはパブリックからプライベートへとVMを移動させにくく、柔軟な運用が困難だったのだ。

 第2に、セキュリティ等のポリシーをクラウド間で継承することができない。そのためVMを移すことができても、ポリシーを再設定する必要があるため、運用が複雑になってしまう。

 これらの問題を解決できれば、ハイブリッド クラウドの可能性はさらに高まることになる。そしてサービス プロバイダーにも、新たなビジネスチャンスをもたらすことになるだろう。

 そのためにシスコが提唱・推進しているのが「Cisco Intercloud(以下、Intercloud)」なのである。

オープンでセキュアなハイブリッド クラウドを実現する
Cisco Intercloud Fabric アーキテクチャ概要