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オープンでセキュアなハイブリッド クラウドを実現するCisco Intercloud Fabric アーキテクチャ概要

Intercloudの4つのユースケース
TCOは35〜50%も削減可能に

 ここでは下の図に示す4つのユースケースを取り上げて、簡単に解説したい。

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 まず考えられるのが、開発/テスト環境のハイブリッド化である。本番環境はプライベート クラウド、開発/テスト環境をパブリック クラウドに置くことで、本番環境のリソースを圧迫することなく大規模な開発やテストを進められる。またパブリック クラウドなら機器調達の必要がないため、開発用のVMを短時間で立ち上げられる。これによって開発サイクルを迅速化することも可能になる。

 本番環境のデータベースを使用したテストが必要な場合でも、Intercloudならハイブリッド型で実行できる。まずプライベート クラウド側の本番データベースのスナップショットをテスト用に作成・スプリット(分離)し、テスト用データベースを用意する。これに対し、パブリック クラウド側のVM上で稼働するテスト アプリケーションからアクセスする。Intercloudはクラウドをまたいだファイアウォール ゾーンを設定できるため、本番データを持ち出すこともセキュリティレベルを低下させることもなく、このようなテストを行えるのである。

 次に考えられるのがシャドーITのコントロールだ。最近ではIT部門の対応の遅さに業を煮やした事業部門が、IT部門に知らせることなくパブリック クラウドを利用するケースが増えている。このようなIT部門の管理外にあるITを“シャドーIT”と呼ぶ。社内の専門家による管理の管轄外に置かれるためガバナンスが低下し、情報漏洩のリスクが高まるという問題がある。しかしIntercloudの活用によってIT部門の対応速度が向上すれば、このような問題も解消可能になる。事業部門側も、自分たちでクラウド サービスを探し、契約を行い、アプリケーションを実装する手間を省けるため、自然と社内のIT部門に依頼するようになるはずだ。

 第3のユースケースはキャパシティ管理。ワークロードの安定したアプリケーションはプライベート クラウドに、変動の大きいアプリケーションをパブリック クラウドに配置するのである。Intercloudならプライベート クラウド内のVMも自動フォーマット変換によってパブリック クラウドに移すことができ、セキュリティ等のポリシーも継承できる。そのためワークロード変動の大きなアプリケーションも、負荷の小さい時期はプライベート クラウド、負荷がピークになる時期にはパブリック クラウドに配置するといった、弾力的な運用も可能になる。

 このシナリオが実現可能になれば、運用コストの最適化も容易になる。例えば下のグラフは、「固定的な負荷の100VM(固定VM)」と「負荷変動が変化する100VM(可変VM)」で構成されるシステムを、「プライベート クラウドのみ」「パブリック クラウドのみ」「Intercloudを活用したハイブリッド クラウド」で運用した場合のコストを、シスコが試算した結果である(あくまでも試算の1つであり、実際のコストはシステムの状況によって異なることに注意していただきたい)。

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 プライベート クラウドの運用コストは固定費となるため、負荷変動に関係なくVMの数で決まる傾向にある。そのため「固定VM」と「可変VM」とで、運用コストの差は生じにくい。これに対しパブリック クラウドは利用リソースに応じた料金体系が一般的であるため、平均的な利用料金は「固定VM」が高くなり、「可変VM」は低くなる。Intercloudを活用したハイブリッド クラウドであれば、両者の“いいとこ取り”が可能になる。プライベート クラウドの運用コストがパブリック クラウドの平均利用料金より安くなる「固定VM」はプライベートクラウドで、パブリック クラウドで平均利用料金が安くなる「可変VM」はパブリック クラウドで運用すればいい。シスコの試算によればこれによって、35〜50%のTCO削減が可能になる。

 そして第4のユースケースがディザスタ リカバリー(DR)だ。プライベート クラウドをバックアップするDRサイトをパブリック クラウド側に用意し、災害発生時にはDRサイトへと切り替える。これなら低コストでDRサイトを維持し続けられる。Intercloudならセキュリティ等のポリシーも、一貫性を保ちやすい。

 これらのユースケースは、ユーザー企業に大きなメリットをもたらす。それではサービス プロバイダーにとってはどうなのか。最後のページではサービス プロバイダーが享受できるメリットと、考え得るアプローチについて考えてみよう。

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