inSPire は、シスコがサービス プロバイダー向けに厳選した、シスコの高度な技術と最新のニュースをお届けするニュースマガジンです。

シスコの最新グローバル サービス プロバイダー戦略

激変するサービス プロバイダー ビジネスを支援
イノベーションと変化のさらなるスピード アップを目指して

2014年8月、シスコは組織の再編を行い、GSP(Global Service Provider)が発足した。これはサービス プロバイダーに特化した、グローバルな横断組織。サービス プロバイダー向けの製品開発、製品デリバリー、営業、サポートを、世界レベルで統合したものである。シスコはなぜこのような組織を立ち上げたのか。そして日本のサービス プロバイダーにとってどのような意味を持つのか。GSPを統括するシニア バイス プレジデントであるニック・アダモ(Nick Adamo、以下アダモ)と、製品/ソリューションを統括するケリー・アフジャ(Kelly Ahuja、以下アフジャ)に、GSP設立の背景と現在進めている取り組み、日本のサービス プロバイダーへのメッセージを聞いた。

サービスプロバイダーが直面する
3つの課題の解決を新体制で支援

 これまでの「inSPire」でも何度か取り上げているように、サービス プロバイダー市場では大きく4つのトレンドが進行している。モバイルの普及、ビデオによるトラフィックの急増、クラウドコンピューティングの台頭、そしてM2MによるIoE(Internet of Everything)に向けた動きの本格化だ。サービス プロバイダーのネットワークには、すでに膨大な数のデバイスが接続されているが、IoEが本格化すればその数は桁違いになるだろう。このような環境の中で収益を確保するには、サービス プロバイダーは従来とは異なる考え方でビジネスを進める必要がある。

 では具体的に、どうすればいいのか。

 「これまでのサービス プロバイダーとの対話を通じて、彼らには大きく3つの課題があることがわかっています」とアダモ。第1の課題はいかにして収益を増加させるかだと指摘する。「サービス プロバイダーのビジネスの柱は、音声からデータへと移りました。しかし売上は大きく変化せず、ほぼ横ばい状態です。これをどのようにして伸ばしていくのかが、最大の課題だと考えています」。

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ニック・アダモ(Nick Adamo)>プロフィール

 第2は運用コストの削減。サービス プロバイダーはこれまでも、CAPEX(設備投資等の資本的投資)が売上に比べて過大にならないよう、うまく抑制し続けてきた。しかし時代の経過とともに複数のネットワークを所有するようになり、それらのオペレーションコスト(OPEX)増大が大きな問題になりつつある。IoE時代になればさらにネットワークが追加され、OPEXも増大する。これを抑制、もしくは削減できるよう、ネットワークのあり方を見直す必要がある。

 そして第3が俊敏性だ。サービス プロバイダーの現在の競合には、インターネット上で様々なサービスを提供するOTT(Over The Top)が含まれる。これらの企業は、毎週のように新機能を提供するような、極めて高い俊敏性を備えている。サービス プロバイダーも、彼らと同等、もしくはそれ以上の俊敏性を獲得することが求められる。

 「サービス プロバイダーの優位性は、堅牢なインフラを所有していることにあります。これまで常に品質と規模拡大を優先してきた結果、この資産を獲得できたのです。しかしこれからは“Speed to Market”が競争力の鍵になります。そして多くのサービス プロバイダーが、すでにこのことに気がついています」(アダモ)。

 シスコがGSPを立ち上げたのは、これら3つの課題のスピーディな解決を、より強力に支援するためだとアダモは言う。サービス プロバイダーはシスコにとって長年にわたる重要顧客だが、彼らが目指すべき新たな世界を実現するには、シスコ自身も大きな変貌を遂げる必要があると判断。イノベーションと変化のペースをさらに高めるため、組織変革に踏み切ったのだと説明する。

 それでは実際に、シスコはどのような取り組みを進めているのか。最初に紹介したいのが、製品/ソリューションに関するものだ。サービス プロバイダーにとってこれから必要になるネットワークについて、アフジャは次のように語る。

 「OPEXを抑制しながら俊敏性を高めるには、ネットワーク インフラをよりシンプルにすると共に、自動化やグローバル標準への適合を進めていく必要があります。以前の日本のサービス プロバイダーは、国内でテクノロジーを独自開発することに重点を置いていましたが、これはOPEX増大につながります。この問題に日本の多くのサービス プロバイダーが気づいており、サービスやネットワーク、運用手順の見直しを模索し始めています」。

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ケリー・アフジャ(Kelly Ahuja)>プロフィール

 またビデオの利用拡大に伴うトラフィック増大も、ネットワーク インフラの見直しを迫る要因になると指摘する。すでに放送分野では4Kビデオの配信が始まろうとしており、8Kビデオのデモも行われている。サービス プロバイダーのネットワークも、このようなビデオ コンテンツを高品質のまま扱えることが、求められるようになるはずだと言う。

 「日本はアクセス ネットワークとして、世界で最も早い時点からFTTHを導入している先進国です。そして無線通信でも、幅広いカバレッジとスペクトラム(電波のバンド幅)という資産を持っていますし、加えてWi-Fiの展開も重要になります。これらをシームレスに連携させながら、新たなサービスやコンテンツを簡単かつ迅速に運用できる、新たなネットワークが必要なのです」。

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