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モバイル ネットワークのアクティビティを可視化
新たな知見と洞察をもたらすCisco Mobility IQ

リアルタイムに提供されるインテリジェンスが
業務効率の向上とより高付加価値なビジネス創出を支援

2015年3月、シスコは、スペイン バルセロナで開催された展示会「Mobile World Congress 2015」において「Cisco Mobility IQ」を発表した。これはモバイル ネットワークから様々なリアルタイム データを収集し、最大限に活用するためのSaaS型分析ソリューション。サービス プロバイダー のネットワーク運用最適化や、高付加価値サービスの創出に、新たな可能性をもたらすものだといえる。ここではMobility IQ登場の背景とその仕組み、パッケージング、実際のデータ分析画面等を紹介したい。

今後さらに増加するモバイル トラフィック
その可視化が収益確保の重要な鍵に

 モバイル ネットワーク上で展開されるサービスを、いかに戦略的に設計、構築、展開していくか。これはサービス プロバイダーの今後の収益を、大きく左右する要素になるはずだ。モバイル ネットワークの利用拡大は、今後さらに加速すると予測されているからである。

 シスコが2015年2月に発行した年次レポート「Cisco Visual Networking Index(VNI) 世界のモバイル データ トラフィック予測」の最新版によれば、2019年におけるモバイルIPトラフィックは、2014年の10倍近くにまで増大するという。その中で多くの割合を占めることになるのがWi-Fi接続である。2014年はWi-Fiを中心としたオフロード通信よりもセルラー通信によるトラフィックの方が多かったが、2019年にはこれが完全に逆転、2019年には54%がオフロード通信からのトラフィックになると予測されているのだ。

 つまりモバイル ネットワークを提供するサービス プロバイダーは、Wi-Fiへのシフトと急増するトラフィックにどう対応するのか、そして顧客満足度向上と収益拡大をいかにして両立させるのかを、考えていかなければならないのである。

 この課題に対して戦略的なアプローチを行うには、モバイル ネットワークのトラフィックや利用状況に関するデータを収集し、それを分析する必要がある。しかし現状のままでは、これも決して簡単ではない。サービス プロバイダーは自社のネットワークに関するデータを収集、利用することができるが、ネットワーク サービスの種類が増えるに従い、サービスや利用テクノロジー毎に収集データが分断される傾向にあるからだ。

 これらの問題を解決し、モバイル通信全体のデータを収集、分析できるようにするのが、シスコが新たに発表した「Cisco Mobility IQ」だ。これはシスコ クラウド サービスでホスティングされるサービスであり、ネットワークやユーザ、ビジネス インテリジェンスのリアルタイムな可視化を可能にする。

 それではMobility IQを利用することで、どのような情報が収集でき、それらをどう活かせるのだろうか。ここではその一例として、サービス プロバイダーがショッピング モール事業者に対し、モール訪問客が利用するWi-Fiネットワークを提供するというビジネス モデルを取り上げてみよう。

 まずネットワークの稼働状況や健全性、トラフィック パターンが把握できる。これらの情報を可視化できれば、アクセス ポイントのより適切な配置や、迅速な障害対応等が可能になる。これらはネットワークを提供するサービス プロバイダーにとって、非常に有意義な情報になるはずだ。

 これに加え、モールへの来場客がどのようなデバイスを持っているのか、使っているOSやアプリケーションは何か、どのSNSにアクセスしているのか等も可視化できる。これらの情報が入手できれば、顧客の代表的なプロファイルを作成でき、より適切なマーケティング戦略を立案できるだろう。またよく利用されているアプリやSNSの情報があれば、効果的な広告メディア戦略も立案可能だ。例えばFacebookを利用する来場者が多いのであれば、Facebookを広告メディアとして利用するといったことが考えられるのである。

 さらに、来場者の行動パターンも可視化できる。各デバイスがどのアクセス ポイントとコネクションを張っているのかを追跡すれば、利用者の位置を継続的に追跡できるからだ。来場者の移動パターンが把握できれば、どのようなタイミングでクーポンを配布すれば効果的なのかが推測できる。また店舗配置の最適化に役立てることや、テナントに対する賃料交渉での利用も可能になるだろう。

 このようにMobility IQが提供する情報は、サービス プロバイダーはもちろんのこと、サービス プロバイダーの顧客にとっても有意義なものになり得る。様々な知見を入手し、適切な形で顧客とシェアできれば、これまで以上に高い価値が提供可能になり、収益向上にも大きな貢献を果たすと考えられる。

モバイル ネットワークのアクティビティを可視化
新たな知見と洞察をもたらすCisco Mobility IQ

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