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激変する競争環境を勝ち抜くためのアーキテクチャ
Cisco Evolved Programmable Network(EPN)アップデート

仮想化技術の統合で次世代ネットワーク改革を強力に支援
サービス プロバイダーの課題を解決するシスコの取り組み

2015年3月17日、シスコはCisco Evolved Programmable Network(EPN)を強化する新たな発表を行った。これには「Cisco Application Engineered Routing」「Cisco IOS XRv 9000 Virtual Router」「Cisco ASR 9000シリーズ向け高密度100GEライン カード」といった新技術が含まれており、コスト削減や収益確保、迅速なサービス展開といった、今日のサービス プロバイダーが抱える主要な課題の解決をさらに強力に支援するものとなっている。また、先頃行われた「シスコEPNセミナー」では、EPNの最新状況やドイツテレコムによる活用事例も紹介された。ここではこれらの情報をベースに、Cisco EPNのビジョンと最新戦略、および注目すべき新たなイノベーションについて解説する。

サービス プロバイダーの課題解決を支援するEPN

 サービス プロバイダーは今、大きく3つの課題に直面している。コスト削減、俊敏性の獲得、新たな収益源の確保だ。これからも長期的にビジネスを継続するには、これらの課題に適切な形で対応しなければならない。

 このような課題が突きつけられている背景としては、競争環境の変化が挙げられる。同業他社だけではなく、OTT(Over the Top)をはじめとする"Non-SP(サービス プロバイダー)"も、この市場に参加するようになっているのだ。Non-SPの最大の特徴は、サービス提供に必要なコストが比較的小さい点と俊敏性にある。また高い収益を得やすい事業に経営資源を集中できることも、大きな優位性だといえるだろう。コスト構造やビジネス構造等の観点から見て、既存のサービス プロバイダーは不利な戦いを強いられる可能性が高いのだ。

 このような競争環境で勝ち抜いていくには、オペレーション コストの削減と、迅速なサービス展開のための俊敏性獲得が必須条件になる。しかし現在のサービス プロバイダーが抱えているネットワークは、約20年もの年月をかけて進化し続けてきた結果、極めて複雑なものになってしまった。これがコスト削減と俊敏性獲得に対する重石になっている。

 また現在のネットワークは「これまで提供してきたサービス」に最適化されており、4KビデオやM2M(Machine to Machine)、次世代モバイル接続等、「これから登場するサービス」に必ずしも適したものではないと言える。既存サービスによる収入はすでに右肩下がりの傾向にあり、新たな高付加価値サービスを投入しなければ収益拡大は見込み難い。既存ネットワークへの投資を活かしながら、新たなサービスに向けたアプローチを模索することも、サービス プロバイダーにとって避けて通れない取り組みなのだ。

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 これらの課題を解決するために必要なのは、「シンプルさの抽出」という発想を持つことである。これまでのサービス プロバイダーは「複雑さを克服する能力」を磨くことで、複雑化するネットワークに対応し続けてきた。しかしその努力も最早限界を迎えつつある。これからは「ネットワークにおける複雑さを排除」する取り組みこそが重要だ。これによってオペレーション コストの削減とサービス提供のスピードが向上し、新たなサービス開発も容易になるからである。

 その一方で、増え続けるトラフィックへの対応も欠かせない。シスコが2015年に発表した「Cisco VNI Global Mobile Data Traffic Forecast(モバイルVNI)」によれば、全世界のモバイルデバイスの台数は2019年までに、2014年に比べて40億台多い115億台に達すると言う。また全世界のモバイルユーザの数も、2019年には52億人に増加。モバイルIPトラフィックは年間292エクサ バイト(24.3エクサバイト/月)になると予測されている。2014年のモバイルIPトラフィックは全世界で30エクサバイト(2.5エクサバイト/月)だったので、実に10倍近くの増加となる。

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出展:Cisco VNI Mobile,2015 年

 サービス プロバイダーはこのようなトラフィック増大の中でも、高品質なサービスを提供しなければならない。常に"キャリア グレード"であることを、顧客や社会に求められているからだ。

 これら全ての課題を解決するためにシスコが提唱しているのがEPN(Evolved Programmable Network)である。2015年3月にはそのアップデートとして、新たに複数のテクノロジーを投入したことが発表された。ここではEPNの最新状況について解説すると共に、すでに始まっているEPN活用の事例紹介を行いたい。

激変する競争環境を勝ち抜くためのアーキテクチャ
Cisco Evolved Programmable Network(EPN)アップデート

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