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次世代 CMTS、Cisco cBR-8 概要

DOCSIS 3.1 対応を前提にゼロ ベースでデザイン
ケーブル サービスの OPEX/CAPEX 最適化をサポート

放送、ネット、電話の「トリプル プレイ」で成長し続けてきた国内のケーブル サービス(ケーブルTV)業界。しかし最近では OTT (Over the Top) によるビデオ配信や他の通信事業者による放送事業参入など、競争環境は厳しさを増している。競争に勝ち抜いていくには OPEX/CAPEX の最適化や、ビジネス アジリティの獲得だけでなく、DOCSIS 3.1 への対応や FTTx も視野に入れたネットワーク アーキテクチャの見直しが必要だ。これらを可能にするためにシスコがリリースしたのが次世代 CMTS(ケーブル モデム終端装置)、Cisco cBR-8。ここではその概要を紹介したい。

高密度なサービス集約が可能な圧倒的なキャパシティ

 放送、ネット、電話の「トリプル プレイ」を地域密着型で展開することで、2014 年には 1 兆円を超える規模にまで成長した日本のケーブル サービス事業。その一方で最近では、OTT によるビデオ配信や他の通信事業者による放送事業参入など、競争環境は厳しさを増している。

 OTT によるビデオ トラフィックは年率21% の成長が見込まれており、これに伴い IP ネットワーク上のビデオ データも急増しつつある。また通信高速化へのニーズも高まっており、1 Gbps の提供を視野に入れたネットワーク アーキテクチャの見直しも急務だ。ケーブル サービス事業者は、OPEX/CAPEX の最適化と、ビジネス アジリティの獲得、より高速なサービス提供を可能にする技術革新を、同時に実現しなければならないのである。

 このような要求に対応するためにシスコがリリースしたのが、次世代 CMTS Cisco cBR-8 だ。この製品の最大の特長は、同軸ケーブルによる高速データ通信を行うための国際標準規格である DOCSIS の最新版「DOCSIS 3.1」への対応を視野に入れ、筐体からゼロ ベースでデザインされている点だ。DOCSIS 3.1 対応を謳う CMTS 製品は他にも存在するが、DOCSIS 3.1 を前提に設計が行われた製品は、他に類を見ないはずだ。

 筐体レベルから設計を見直すことで可能になったのが、極めて高いキャパシティとスケーラビリティである。筐体のサイズは 13 RU、この中に 2 枚のスーパーバイザ カードと 8 枚のライン カードが格納可能だ。バック プレーンは 1.6 Tbps まで拡張可能。これによって例えば DOCSIS 3.0 のダウンストリーム チャネルであれば、6000 以上収容できるのである。

 キャパシティの高さは、業界標準となっている ATCA シャーシの製品と比較すれば、一目瞭然だと言える。例えば ATCA 規格の他社 CMTS などでは 2 台分を超える能力が必要なサービスも、cBR-8 なら 1 台の 60% ほどで済んでしまうと言う。

 コントロール プレーンとデータ プレーン、WAN を統合したスーパーバイザ カードの処理能力も高い。データ プレーンは、248 CPU コアを持つ Cisco Quantum Flow Processor(QFP)を搭載。200 Gbps のフォワーディング能力を持ち、高度な QoS 処理を行いながら、7500 万 PPS のパフォーマンスを発揮する。コントロール プレーンは 64 ビット CPU × 10 コア / 48 ~ 96 GB メモリを搭載。WAN は 10 G イーサネット×16 または 80 Gbps × 2 のバックホールを有している。

 ライン カードと接続するためのコネクターも、高い処理能力を十二分に発揮できるよう、新たに独自開発。スーパーバイザ カード内のプロセッサと WAN との間は最大 1.6 Tbps、ライン カードとの間は最大 200 Gbps で通信できるようになっている。

 一方、ライン カードで注目したいのが、カード自体がモジュラ構成になっている点だ。現在提供されているのは、16 ポートを装備したアップストリーム PHY モジュールと、4 ポートを装備したダウンストリーム PHY モジュール。ダウンストリーム PHY モジュールは 1 つのライン カードに 2 個実装可能だ。

 モジュラ構成のメリットは、ライン カード内の一部の機能を、必要に応じて入れ替えられる点にある。これによって DOCSIS 3.1 への移行も容易になる。DOCSIS 3.1 対応のダウンストリーム PHY モジュールは 2015 年 7 月、アップストリーム PHY モジュールは 2016 年 3 月に出荷予定。これに合わせ、既存ラインカードへの投資を活かしながら、段階的に DOCSIS 3.1 へと移行できる。

 また従来の統合型 PHY に加え、シスコが提唱する Remote-PHY にも対応予定。統合型 PHY の場合はライン カードあたり 8 サービス グループ、Remote-PHY では 32 サービス グループをサポートできる。Remote-PHY の利用によって、サービス グループのスケーラビリティを飛躍的に高められるのだ。また CMTS と PHY を分離することで、より顧客に近い場所までデジタル ファイバやイーサネットを利用できるようになり、FTTx への柔軟な対応も可能になる。

次世代 CMTS、Cisco cBR-8 概要

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