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Light Reading と EANTC が実機環境で検証した
シスコのクラウド&仮想化ポートフォリオの有効性

Cisco WAE の検証:最適な LSP トンネルを自動算出し NSO 経由で展開可能、オンデマンドな帯域幅制御も容易

 最初に取り上げたいのが、Cisco WAE に関する検証である。Cisco WAE は 2012 年下期の Cariden 買収後に開発されたソリューションであり、ネットワーク使用履歴データを収集し、過去と現在の経験則に基づき、将来の動作を予測可能にする。またその予測情報に基づき、最適と推測される Label Switched Path(LSP)の推奨や、LSP のセットアップを行うこともできる。

 これらの機能を検証するため、シスコは Cisco ASR 9006 や CRS-4/S、Cisco 12000 ファミリー等のシスコ製品の他、サード パーティ製品も含む 35 のルータで構成される、大規模なマルチベンダー ネットワークを構築。テスト チームはこれを利用し、複数のシナリオで Cisco WAE の機能を検証していった。

 ここではそのうち、2 つのシナリオを紹介したい。

 第 1 は LSP トンネルの分離である。

 ミッション クリティカルなアプリケーションでは、パケット損失への特別な対策として、同じトラフィック ストリームを 2 つにコピーして送信するケースがある。このような対応は、動画コンテンツを高品質に伝送したい場合や、ルータでの障害発生時にパケットを一切ロスしたくない場合などで有効である。それではトランスポート パスが 1 つしか設定されていない状況から、2 つのトランスポート パスへと移行するには、どうすればいいのか。通常であれば、既存のトランスポート パスと重複しないパスを選定し、そのパスに関連するルータの設定を変更し、さらにそれらのパスが適切につながっていることを検証するために、煩雑な作業が必要になる。しかし Cisco WAE を利用すれば、この作業を大幅に簡略化できる。

 これを検証するため、テストチームはまず Cisco WAE を使用して 2 つのルータ間に LSP トンネルのペアを構築(下の図の A ~ Z のパス)、テスト トラフィックが LSP トンネルを問題なく通過することを確認した。

 次に Cisco WAE によってトンネルの分離操作を行った。

 Cisco WAE はこれまでに蓄積されたデータに基づき、最適なパスを計算し、LSP トンネルの分離を実行。その結果が下の画面である。

 実際にパス経路上のルータにログインして設定内容を確認すると、この設定変更は非常に複雑なものであることが判明した。一連の設定プロセスは、Cisco NSO との連携によって実現されている。新たに作成すべきパスを、Cisco WAE のモデル処理ツールを使って作成し、その結果を Cisco NSO へと送信、Cisco NSO が各デバイスにアクセスして設定を変更したのである。

 第 2 のシナリオは、オンデマンドの帯域幅制御だ。このようなシナリオは、イベント開催時などで生じるトラフィック増大への対応等で、大きな意味を持つ。既存パスではオーバーフローするようなトラフィックが一時的に発生しても、オンデマンドで帯域幅を拡大できれば、遅延時間の増大やパケット ロスを回避可能になるからだ。

 この機能を検証するため、再び 2 つのルータ間に単一の LSP トンネルを設定。LSP トンネルを構成するリンクのほとんどは 1 Gbps であり、一部に 10 Gbps のものが含まれている。ここに 726 Mbps テスト トラフィックを流す。Cisco WAE の画面では帯域幅の使用率に応じて、リンクが色分けして表示される。1 Gbps のリンクは黄色(使用率大)、10 Gbps のリンクは緑色(使用率小)となっている。

 ここで、Cisco WAE の REST API を使用したアプリケーションである「オンデマンド帯域幅ツール」を使用し、さらに 400 Mbps のトラフィックが追加された場合にどうなるのかをシミュレートした。このツールは次の画面を表示し、最初のリンクで輻輳が生じることをレポート、さらに「最適化」を促すオプションを提示した。

 このオプションを選択すると、このツールは新たなパスを推奨した。それが以下のパスである。

 このパスを生成して 762 M bps + 400 Mbps のトラフィックを流したところ、全てのリンクでの使用率が 50 %未満となった。

 このように、Cisco WAE や Cisco WAE 上で稼働するアプリケーションを活用することで、ネットワーク管理者はより高度な判断に集中できることがわかる。

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