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LDP / RSVP を不要にしスケーラビリティと柔軟性を向上
注目の次世代技術「セグメント ルーティング」とは

2 種類のセグメントできめ細かく経路を指定可能

 ドメイン内におけるセグメント ルーティングの動作を理解するには、まず 2 種類のセグメントの存在を知る必要がある。1 つは Prefix セグメント、もう 1 つは Adjacency セグメントだ。

 Prefix セグメントは、各ノードに割り当てられる IGP プレフィックス(通常はループバック プレフィックス)に基づくセグメントのことであり、宛先までの最短経路を意味する。これはセグメント ルーティングのドメイン内でユニークな値が割り当てられる「グローバル セグメント」であり、MPLS フォワーディングの場合は IGP(IS-IS または OSPF) によりラベル(セグメント ID)が配布される。ラベルは絶対値が配布されるわけではなく、ラベルの範囲(デフォルトは 16000-23999)を示す Segment Routing Global Block(SRBG) と、相対値(インデックス値)の組み合わせで配布される。例えば下の図では、ノード 5 に「16005」というラベルが割り当てられており、各ノードからノード 5への最短経路となる Prefix セグメントが示されている。

 コストの等しい経路が複数ある場合(ECMP が存在する場合)には、ロード バランスを行うことも可能だ。これを示したのが下の図である。ノード 1 から ノード 4 に対し、2 つの経路でロード バランスできることがわかる。

 一方、Adjacency セグメントは、各ノードがローカルに持つ、隣接ノードに対するセグメントのこと。SRGB 以外からアサインされ、ドメイン内でユニークである必要はない。 Adjacency セグメントは、IGP(IS-IS または OSPF)によって情報としてアドバタイズされる。

 セグメント ルーティングでは、これらのセグメント情報をパケット ヘッダに付加して経路を指定することになる。セグメントの指定方法としては、宛先までの Prefix セグメントだけを指定する方法、どのノードを通過させたいのかを Prefix セグメントのスタックによって指定する方法、各ノードが持っている Adjacency セグメントをスタックさせてノード間のリンクまで指定する方法、Prefix セグメントと Adjacency セグメントを組み合わせて使用する方法がある。

 例えばノード 1 から ノード 5 にパケットを送る際に、ノード 4 を経由させた上でノード 4 とノード 5 の間のリンクまで明示したい場合には、以下のように Prefix セグメントである「16004」と、Adjacency セグメントである「24045」を組み合わせればいい。ノード 1 でこれらのセグメント情報が付加されたパケットは、ノード 2 またはノード 3 を経由してノード 4 に到達し、ここで「16004」のセグメント情報が取り除かれる(PHP が有効になっている場合は手前のノード 2 またはノード 3 で「16004」のセグメント情報が取り除かれる)。次に「24045」という Adjacency セグメントの指示に従い、ノード 5 に送られることになる。

 このようなドメイン内でのセグメントに加え、ドメイン間の Prefix セグメントも設定できる。これは BGP によって配布される。

 つまりセグメント ルーティングなら、複数のドメインで構成されたネットワークでも、End-to-End での経路制御が可能になるのである。

 それではセグメント ルーティングによって、具体的にどのようなユースケースが可能になるのだろうか。

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