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IoT 市場の拡大がもたらすパラダイム シフトと
サービス プロバイダーが成長するためのビジネス戦略

IoT のユース ケースとサービス プロバイダーの優位性

 最後に、サービス プロバイダーが IoT 時代に向けてビジネス モデルを変革することで、どのようなソリューションが実現可能になるのかを見ていこう。考えられるユース ケースをカテゴライズし、一覧表の形でまとめたのが下表である。

 実に多様なソリューションが可能になることがわかる。ここではこれらの中から 3 つのユース ケースを取り上げ、簡単に紹介したい。

詳しくはこちら: http://www.cisco.com/c/en/us/solutions/industries/smart-connected-communities.html(英語)

 第 1 は「スマート コネクテッド シティ」である。例えば駐車場や街灯、交通管制のスマート化や、セキュリティ等のユース ケースが想定される。サービス プロバイダーによるマネタイズ手段としては、データ分析などの付加価値を加えた Wi-Fi サービスの提供、自治体が提供する Wi-Fi サービスのトラフィックを自社のセルラー トラフィックへとオフローディングするサービス、システム インテグレーション、マネージド サービス等が挙げられる。

 また自治体との間で、新しい形の提携を結ぶといったアプローチも考えられる。例えば欧州の実験的な事例としては、街灯の管理をサービス プロバイダーが請け負い、その見返りとして街灯に自社の機器を設置する権利を得る、といった契約が行われている。

詳しくはこちら: http://www.cisco.com/go/connected-assets(英語)

 第 2 は「リモート アセット マネジメント」。広域に分散して設置されている各種設備にセンサーやカメラを取り付け、遠隔地からのモニタリングや、物理的なセキュリティの確保、消費電力の管理等を行うのである。サービス プロバイダーはこれらのソリューションを、自社が保有する基地局などの運用管理に活用できるのはもちろんのこと、プラントを保有する企業や ATM を展開する金融機関、変電所を保有する電力会社等に、サービスとして提供することも可能になるだろう。

詳しくはこちら: http://wwwin.cisco.com/c/cec/prods-industry/selling-iot/digital-transportation/connected-mass-transit.html(英語)

 そして第 3 が「フリート マネジメント(交通手段の最適管理)」だ。車両への Wi-Fi の設置、GPS 等を活用した車両の位置管理や遠隔操作、車速や燃料レベル、タイヤ圧等の集中管理、ビデオ監視等のユース ケースが考えられる。これらを活用することでサービス プロバイダー自身のサービス車両などの管理を効率化できるほか、公共交通機関やタクシー、物流企業にサービスを提供することも可能になる。またこれらのサービスと共にセルラー通信や SIM 等をバンドルして提供することや、アセット マネジメントと一緒に提供するといったアプローチもあり得るだろう。

 このように IoT 時代の到来は、サービス プロバイダーに大きなチャンスをもたらす。そして、サービス プロバイダーにはこのチャンスを最大限に活かすことのできる、他の業種の企業にはない大きな優位性がある。

 まずネットワークの構築や運用、カスタマー サービスのオペレーションに関して、十分な経験を持っている。またクラウドやデータ サービスに必要な設備も保有している。システム インテグレーションを行う機会も多く、そのための協力会社とのパートナーシップも確立されている。さらにブランド力も強力であり、これが高い信頼性に結びついている。さらに、企業向けのセールス部隊やサービス提供の体制も整備されている。IoT 時代に求められる多様な付加価値を提供する上で、サービス プロバイダーには重要な役割を果たすことができる大きな可能性が秘められているのである。

 なお 10 月 18 〜 20 日にはベルリンにおいて、シスコが主催する「The Internet of Things World Forum 2016」が開催される。これは IoT 推進に関する世界的かつ中心的なイベントと認知されており、今回で4 回目となる。IoT によるマネタイズ等、実際のビジネスにおける IoT への取り組みを中心にプログラムが展開される予定で、サービス プロバイダーのビジネス モデル変革に関しても議論が行われることとなっており、最新の動向に注目したい。


(2016 年 9 月 17 日 追記)
本記事中でご紹介している今年度の「The Internet of Things World Forum」は、開催が 2017 年に延期となりました。最新の情報は www.iotwf.com にてご確認ください。

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